AIと自律性

Claude Codeを導入してからNixOS設定を含む多くの作業をAIでやるようになった。便利な一方で、flakeやmoduleがブラックボックス化してトラブル時に自力でリカバリできなくなること、そして自分で考え・実装する能力が育たないことへの懸念が生まれた。

問題は「AIを使うこと」ではなく「使い方を決めていないこと」だと整理している。設計・問題定義・トレードオフ判断は自分主導、調査やボイラープレートはAI、という役割分担を意識する。AIの出力は理解してから採用する。理解できないコードは採用しない。

地力を保つには「あえてAIを使わない時間」を意図的に作るしかない。生産性を求める時間とは別に、設計や実装を自分でやる時間を確保する。

AIに任せる比率が上がるほど、「AIをどう使うか」の設計力が人間側のコアになっていく。考える場所が変わる、という捉え方の方が扱いやすい。

参謀AIの構築はこの問題を内包する。参謀AI構築案の承認フローやPKMとAIメモリの分離は、自律性を保つための意識的な設計でもある。

PKMにおけるAI委譲の判断

PKMは書く・繋ぐ行為自体に学習効果がある。特にVault内を歩いて既存ノートとの接続を探す作業は検索練習効果に近く、認知的な価値がある。エージェントにリンク整理を任せるとこの学習機会を失う。

ただしボトルネックが「やるかやらないか」にある場面では、エージェントに委譲してでもやるほうが価値が高い。学習機会は別の形で確保できる(定期的なvault散歩、stale checkでの再訪など)。

使い分けの目安:

  • 1-2件のノート作成 → 自分で書いてリンクも探す(学習効果を取る)
  • 大量バッチ処理 → エージェントに委譲(運用コストを取る)(調査キャプチャのバッチ処理戦略参照)
  • リンク整理・MOC更新 → エージェントで良い(発見は読み返し時に起きる)

外部からも同様の指摘がある。MITの研究によるとAIチャットボットへの依存が脳活動を55%低下させるという。自分で考える負荷をAIに移譲するほど、その負荷に対応する認知能力が使われなくなるという話は直感と合う。「勝手にやってくれる度合い」をどこに設定するかは、参謀AIを含むあらゆるAI連携で問い続ける必要がある。