ADR-013: 仕事の選択と進行をSupervisorへ移す
決定日: 2026-07-21 状態: 有効
背景
現在は、Obsidianなどへ細かなtaskを積み、人間が次に行うものを選んでAgentへ指示している。
この方式では、Agentが作業を実行できても、意図の整理・優先順位付け・作業選択・結果統合は人間へ残る。並列Agentを増やすほど、人間がdispatcherになる問題が大きくなる。
目指しているのは個別作業の自動化ではない。日々の思いつきを受け取り、既存の目的と統合し、低リスク作業を自走させ、人間にしか決められない判断だけを返す仕組みである。
決定
1. 人間とSupervisorの役割を変える
人間は、細かなtaskの選択者ではなく、上位目的と例外判断の所有者になる。
Supervisorは、会話から意図をCaptureし、冷却・重複統合・矛盾検出・優先順位付け・作業分解・委譲・結果統合を担う。
2. 実行状態と長期判断を分離する
- Hermes Kanban:Capture、Agent実行、検証、判断待ち
- Vault:上位目的、人間の判断、長期的な変遷
- Git:実装と運用文書の変更履歴
- Skill・runbook:再利用する手順
細かなAgent cardをVaultへ逐次同期しない。
3. 初期は一つの上位目的に集中する
初期運用では、activeな上位目的を一つに固定する。その内部だけを最大3 Agentで並列化する。
完遂率、write競合、費用、人間のレビュー時間を観測し、悪化しないと確認できた場合だけ、上位目的を二つ、最大三つへ増やす。
この数は恒久ルールではなく、成熟度に応じて変える暫定パラメータとする。
4. 指示主体と完了判定主体を分離する
Supervisorは作業を指示するが、完了を単独で承認しない。Verifierが成果と受け入れ条件を独立して確認する。
調査・isolated実装・test・dry-runまでは自動化できる。実環境適用、外部write、削除、公開、認証、継続費用、commit・pushは人間ゲートを通す。
5. 人間の関与を夜のレビューへ集約する
21:00に、変化・判断・異常・人間作業をまとめたブリーフをWebUIへ出す。
通常の判断は最大10件、10分以内とする。判断がある場合だけDiscordへ短い通知を出す。
6. 最初の一か月を省トークン化へ使う
Codexを多く利用できる期間に、Capture、重複排除、状態管理、budget判定、失敗回復を評価する。
反復する判断は、決定論的script・Skill・runbookへ移す。無変更時にはLLMを呼ばず、強いモデルは意図形成・難問・高リスク検証へ限定する。
2026-08-21までに、Codexへ状態管理を依存せず、安価なモデル中心で安全に保留・復元できる状態を目指す。
トレードオフ
- Supervisorの誤Captureや誤った優先順位が、新しい失敗要因になる
- 実行状態がVaultから見えにくくなる
- Agent Profile、Verifier、監査ログ、停止機構の初期構築が必要になる
- 厳格な人間ゲートにより、実装済みでも適用待ちが滞留しうる
- 省トークン化を急ぎすぎると、判断品質を落とす可能性がある
その代わり、人間が細かなtask選択とAgentごとの進捗確認を担わずに済む。Agent側の並列性を、人間側の注意負荷へ漏らさない構造を得られる。
見直し条件
次のいずれかが起きたら設計を見直す。
- 重大なCapture漏れが発生する
- 無承認のwriteまたは実環境変更が起きる
- 夜レビューが継続して10分を超える
- Supervisorの選択を人間が頻繁に修正する
- idle時にもLLM費用が発生する
- 一つの上位目的で安定運用でき、並列目的数を増やせる
- Codex利用条件またはモデル費用が変わる